
ガラスと言えば一般的に繊細なイメージがありますが、琉璃工房の作品は今までのガラスの概念を覆してくれるような力強さと 荘厳さを持ち合わせています。 透き通るようなガラスの特性に加え、見るものになにかを訴えてくる力強いメッセージのようなものがあり、 その存在感には圧倒されるばかりです。 幻想的であったり、仏教の荘厳さだったり、中華のモチーフだったり、実用性の美しさだったり、 それぞれ何かを感じるたびに、心が動かされることでしょう。
1987年に女優・楊恵珊(Loretta Yang)と映画監督・張毅によって創立された「琉璃工房(Liu Li Gong Fong)」。
台湾の映画界で活躍しているなか、台湾初のガラススタジオを設立するために、あっさりとその地位を捨てしまう。
華やかな芸能界から一転したことは、当時は日本でも“華麗なる転身”と騒がれました。
創立当時の琉璃工房に最も辛い試練が訪れます。
張毅が病に倒れ、生死をさまよい、楊恵珊の心の支えがなくなってしまうという不安で途方にくれ看病に明け暮れる。
そんなとき、病室の傍らで作品を作り続け、さまざまな気持ちや想いをガラスに込めることで
さまざまな苦悩を作品として昇華していきました。
作品を作り終えた時、その作品がまるで生命をもっているように感じたといいます。
見るものの心を離さないのは、生命を吹き込まれた作品だからなのです。
映画界からガラス工芸という分野への転進が人々の好奇心をよび、当時は「女優がこんな芸術品を作れるわけがない」などと
揶揄されましたが、いつしかそれは賛美に変わりました。
琉璃工房の作品の美しさ、そして中国の伝統ガラス工芸をヨーロッパのガラス工芸にも負けないような水準に引き上げ、
世界中に広めたいという意欲は、香港を始め、北京、上海、シンガポール、アメリカへと広がった支店の数々、
また2006年には北京に博物館もオープンしたという現在の発展に繋がっています。
幾度となく海外にも出展されると、高い評価を得て、今日では中国の故宮に収蔵されています。
原料である、“琉璃(Liu Li)”とは、ガラスに24%の鉛を混合した“人工水晶”で、通常のガラス工芸と比べて、鋳型を
使った製造法の複雑なデザイン加工ができます。製造量にも限りがありますので同じ製品は世界にも少ないのです。
琉璃工房の芸術性の高い作品、日常生活に中国ガラスを取り入れる作品、アクササリーの3つの作品コンセプト
すべて楊恵珊デザインによるもので、台湾で製造されています。
中国の伝統的な“吉祥”の観念が強く反映され、縁起のよい、幸福をもたらすとされる龍、魚、
などをモチーフにしたものが多く一人一人に、幸福が訪れるようにと願った作品です。